値上げの告知を読んで電卓を出したものの、式に何を入れればいいのかで手が止まった人は、たぶん少なくないはずです。率は 5.6% のままで、変わったのは 1 件ごとに足される円の部分。そこが安い商品にだけ効いてきます。公式の記載だけを材料に、値上げするか、別の売り場にも置くかを決める手がかりを残しておきたくて書いています。
値上げで変わったのは、固定の 22 円が 45 円になったところ
率の 5.6% はそのままで、1 件ごとに足される固定の分が 22 円から 45 円に上がりました。
いつから、何が変わった?
BOOTH のお知らせ(確認日 2026年10月27日)によると、2025 年 10 月 28 日 13 時から、サービス利用料が「5.6% + 22 円」から「5.6% + 45 円」に変わっています。
円の部分は倍近く。
率が動いていないので、告知の見出しだけ読むと小さな話に見えます。ただ、手元の金額に直すと値段が低い商品ほど円の部分の比重がぐっと大きくなるので、同じ告知でも、安い商品をたくさん並べている人と、高い作品を少しだけ売っている人とでは、受け止め方がまるで違ってきます。
発送する商品は、送料にも 5.6% がかかる
BOOTH のサービス利用料のヘルプ(確認日 2026年10月27日)では、商品の種類で式が分かれています。
| 商品の種類 | サービス利用料の式 |
|---|
| ダウンロード商品 | 商品価格 × 5.6% + 45 円 |
| 自宅から発送する商品 | (商品価格 + 送料)× 5.6% + 45 円 |
| 無料配布 | かからない |
発送する方は、送料も率の対象に入ります。見落としやすいところです。送料を高めに設定している人ほど、5.6% を掛ける土台も大きくなります。
初期費用と月額利用料はかからない、と別のヘルプにあります。売れなければ何も引かれない。ここは BOOTH の素直に良いところだと思っています。
1 本あたりの手元は、値段から「5.6% + 45 円」を引いた額
ダウンロード商品なら、手元 = 商品価格 −(商品価格 × 5.6% + 45 円) です。
これが答えの全部で、あとは自分の値段を入れるだけ。私はいつも「1,000 円売ったら手元にいくら」で話すのですが、BOOTH についてはその計算結果を、ここではあえて書きません。
答えの数字を書かない理由は?
端数の扱いが、私の手元にある公式の記載には無いからです。
5.6% を掛けると、値段によっては 1 円未満の端数が出ます。それを切り捨てるのか、四捨五入なのか。推測で埋めて「手元は◯◯円です」と書けば、1 円ずれた数字がひとり歩きします。ずれは困ります。規約を読まずに書く解説が嫌いだと普段から言っている手前、自分でそれをやるわけにはいきません。
代わりに、電卓に入れる式を置いておきます。
表は横に動かせます →
| 値段 | 電卓に入れる式 | 45 円の重さ |
|---|
| 100 円 | 100 −(100 × 0.056 + 45) | 売値の半分近くが固定の分 |
| 1,000 円 | 1,000 −(1,000 × 0.056 + 45) | 1 割に届かない |
| 1,650 円 | 1,650 −(1,650 × 0.056 + 45) | さらに小さい |
正確な受取額は、BOOTH の売上管理ページに出る金額が正です。式は、値段を決める前の見積もりとして使ってください。
安い商品ほど 45 円が重いのはなぜ?
5.6% は値段に比例して動くのに、45 円は値段にかかわらず同じだけ引かれるからです。
1,000 円の商品なら、45 円は 1 割にも届きません。100 円の商品だと、45 円だけで売値の半分近くが消えて、そこへさらに 5.6% の分が乗ります。値上げ前の 22 円なら、同じ 100 円の商品でも 4 分の 1 に届かない程度で済んでいたわけで、安い商品を数多く並べていた人ほど、この改定を数字以上に重く感じているはずです。
10 本売れれば、45 円も 10 回。
もう 1 つ、私の手元の記載では分からないことがあります。1 回の注文で複数の商品が買われたとき、45 円が商品ごとなのか注文ごとなのか、です。ここは売上管理ページの明細で、自分の注文を 1 件見るのがいちばん早い。
安い商品の手元を決めるのは、5.6% より 45 円の方です。
振込は「5,000 円」と「19 日」で決まる
受取金額が 5,000 円に届かない月は、自分で振込申請をしないと口座に入りません。
いつ口座に入る?
BOOTH の振込時期のヘルプ(確認日 2026年10月27日)では、月末までに発送完了した注文の売上が、翌月 20 日から 5 営業日以内に振り込まれます。
暦に直すと、10 月末までに発送完了した分は 11 月 20 日から 5 営業日以内。今日が 11 月 5 日なので、今月の下旬です。
早いです。
売れた月の翌月に入るのは、翌々月払いに慣れたファンクラブ系の人から見るとかなりありがたい列で、手数料の 1% より振込が 1 か月早い方が資金繰りには効く、というのが私の持論でもあるので、ここは BOOTH をきちんと評価したいところです。
5,000 円に届かない月は、何をすればいい?
毎月 1 日〜19 日のあいだに、売上管理ページで振込申請をします。
振込申請のヘルプによると、受取金額が 201 円以上 5,000 円未満のときは、振込を受けるのに申請が要ります。申請できるのは 毎月 1 日〜19 日。20 日を過ぎたら、その月は見送りです。
とはいえ、忘れてもお金は消えません。受取金額が確定してから 6 か月たった未振込の売上は自動で振り込まれる、と振込時期のヘルプに書かれています。
BOOTHヘルプセンターの振込申請の説明ページ。出典:BOOTH 公式ページ(2026年11月2日撮影)
200 円か 300 円か、それとも PayPal か
銀行振込なら 1 回 200 円か 300 円、PayPal なら振込手数料はかかりません。
振込手数料のヘルプでは、銀行振込は 30,000 円未満が 200 円、30,000 円以上が 300 円(税込)。売上の小さい月に毎月申請すれば、そのたびに 200 円です。5,000 円に届くまで待つか、少額でも早く受け取るか。家計の事情で決めていいところで、正解は人によって違います。
BOOTHヘルプセンターの振込手数料の説明画面。出典:BOOTH 公式ページ(2026年11月2日撮影)
PayPal で受け取れば BOOTH 側の振込手数料はかかりません。PayPal から自分の銀行口座へ移すときの扱いは PayPal 側の決まりなので、ここでは扱っていません。
他の売り場と並べると、振込の早さは BOOTH が上の方にいる
振込の早さでは BOOTH・DLsite・FANZA 同人が翌月で、NEOFANS は翌々月です。
下の表は、作品を単品で売れる 4 つの売り場について、各社の公式ページの記載(確認日 2026年10月27日)を同じ項目で並べたものです。手元の列は、各社が公式に出している例をそのまま載せました。例が無いところは式か「記載なし」と書いています。
表は横に動かせます →
| 売り場 | 公式の例で手元に残る額 | 振込の日 | 振込手数料 |
|---|
| BOOTH | 例は記載なし(価格 −(価格 × 5.6% + 45 円)) | 翌月 20 日から 5 営業日以内 | 200 円(30,000 円以上は 300 円)・PayPal は無料 |
| DLsite | 1,000 円の作品で 660 円 | 月末締め・翌月 20 日 | DLsite が負担 |
| FANZA 同人 | 110 円の作品で 55 円(インボイス登録あり) | 月末締め・翌月 20 日 | 記載なし |
| NEOFANS(作品の売り場) | 1,650 円の作品で 1,370 円(手数料 17%) | 月末締め・翌々月の末日 | 200 円 |
値段の帯がばらばらなのは、各社が出している例がそうだからです。自分の値段の行は、それぞれの表や式で出してください。
1,000 円売ったときに手元に残る金額(NEOFANS 830円(手数料170円)・myfans チップ1,000円で一般750円・プレミアム835円・DLsite 販売価格1,000円で660円(卸600円+税60円)。2026年10月27日確認・各社の公式ページの記載から)
図の NEOFANS の 830 円は、月額プランや PPV で 1,000 円売れたときの額です。作品の売り場は定価 1,650 円からなので、1,000 円の作品はそもそも置けません。
DLsite と FANZA 同人は、卸価格の表で手元が決まる
どちらも「販売価格から卸価格を出す」考え方で、値段の帯ごとに表があります。
DLsite のサークル登録の案内(確認日 2026年10月27日)では、販売価格 1,000 円の作品は卸価格 600 円に消費税 60 円が乗り、サークルへの支払いは 660 円です。インボイス登録番号を申請したサークルは、販売価格 4,400 円以上で卸価格が販売価格の 80%、未申請の表では 77.6%。振込時期のヘルプによると、国内の金融機関への送金手数料は DLsite が負担し、3 千円に満たない月は繰り越しで、売上には源泉徴収がかかります。内訳は DLsite の売上手数料の記事 に細かく置いてあります。
DLsiteのサークル登録案内ページ。出典:DLsite 公式ページ(2026年11月2日撮影)
FANZA 同人は、インボイスのヘルプ(確認日 2026年10月27日)で、インボイス登録ありの卸価格が販売価格 110 円で 55 円、220 円で 110 円。税込 4,400 円以上は、登録ありで販売価格の 80%、未登録の現在の表で 77.60% です。募集のページでは、月末締め・翌月 20 日払い、3,000 円未満は翌月へ繰り越し、源泉徴収が適用されるとされています。
NEOFANS の作品の売り場は、1,650 円より下を置けない
NEOFANS(ネオファンズ)の作品の売り場は、定価 1,650 円以上 が条件です。
作品の売り場の案内では、漫画・CG 集・音声作品を単品で売れて、セールやまとめ買い、クーポンを重ねても 1 本 1,100 円より下にはなりません。手数料はほかの売上と同じ 17%(2026 年 10 月 19 日に 15% から改定)で、決済の手数料もこの中に含まれ、定価 1,650 円の作品 1 本で手元は 1,370 円。前の月の NEOFANS での売上が 300,000 円以上なら、その月の率は 15% に下がります。
NEOFANSの同人作品出品を案内するトップ画面。出典:NEOFANS 公式ページ(2026年10月27日撮影)
出せる作品の中身にも決まりがあります。漫画は 20 ページ以上、CG 集は差分を除いて 30 枚以上で、絵は長い辺 2,048px 以上。音声は全トラックの合計 30 分以上です。運営の審査を通った作品だけが公開され、二次創作(パロディ)は出せません。振込は月末締め・翌々月の末日で、1 回 200 円、3,000 円に届かない月は翌月へ繰り越し。
正直に言うと、NEOFANS には弱い列があります。振込は BOOTH より 1 か月遅い。ここは負けです。安い商品は置けませんし、始まったばかりで作者もまだ多くないので、サイトの中を歩いているうちに作品を見つけてくれる人は、BOOTH や DLsite ほどには期待できず、自分の X で告知して人を連れてくる前提で考えた方がいいです。
値上げするか並べて出すかは、いちばん安い商品で決める
45 円が売値の大きな割合を食っている商品があるなら、値上げか組み直しを考える時期です。
値段を上げる前に、何を見る?
自分の商品を安いものから順に式に入れて、45 円がどれだけ取っているかを見ます。
全部を一律に上げる必要はありません。1,000 円以上の作品なら 45 円は 1 割に届かず、22 円の頃と比べても差はわずかです。手を入れるのは安い帯だけ。100 円の単品を何本も並べているなら、まとめて 1 本にすれば 45 円を引かれる回数そのものが減りますし、無料配布にはそもそも利用料がかからないので、入口の作品は無料にして有料はまとめ直す、という組み方もできます。値段ごとの手取りの考え方は PPV の値段の記事 にも書いています。
別の売り場に並べるときは、AI と専売の決まりを先に読む
並べる前に、売り場ごとの決まりに引っかからないかを見ておきます。
- DLsite は AI 生成作品の申請が各月 3 作品まで、写実的な AI 生成イラストを含む作品は扱えない(DLsite のヘルプ)
- FANZA 同人は AI の区分を作品登録後に変えられず(FANZA 同人の FAQ)、AI 生成作品・一部 AI 利用作品は作品一覧やランキングから外れる(FANZA のサポート)
- NEOFANS は AI 生成・AI 一部利用を作品ごとに表記すれば同じ棚に並び、専属や独占の条件は無い
BOOTH 自身の AI の扱いは BOOTH の AI 禁止の記事 にまとめました。BOOTH の側に専売の決まりがあるかどうかは、私の手元の記載には入っていません。ここは自分の目で規約を読んでください。
それから、取り込みの話も。NEOFANS には、作品ページの URL を貼ると題名・説明・タグ・値段を下書きに入れる仕組みがありますが、案内に書かれているのは DLsite と FANZA 同人の URL で、BOOTH の名前はありません。BOOTH の作品は、自分の元ファイル(フォルダか ZIP のまま)から入れることになります。DLsite 専売・FANZA 専売の作品は取り込めない、とも書かれています。
で、私ならどうするか。100 円台の商品は BOOTH にそのまま置きます。1,650 円以上で売っている漫画・CG 集・音声は、BOOTH に置いたまま NEOFANS の作品の売り場にも並べます。専属の縛りが無いので片方をやめる必要がなく、値引きを重ねても 1,100 円より下がらない仕組みが、安売りに引きずられない支えになるからです。
今日やることは、いちばん安い商品の値段を式に 1 回入れること
今日は、自分の BOOTH でいちばん安い商品の値段を、式に 1 回入れてください。
商品価格 × 0.056 + 45 を電卓で出して、それを値段から引く。出た数字と、売上管理ページの明細に載っている受取額を並べます。ずれていなければ、その式でほかの商品も見積もれますし、ずれていたら端数の丸め方か 45 円の数え方が私の想定と違うということなので、そのときは明細の方を信じてください。
それで十分です。
値上げの判断は、いちばん安い 1 本からで間に合います。
よくある質問
BOOTH の手数料はいつから値上げされましたか?
2025 年 10 月 28 日 13 時からで、サービス利用料が「5.6% + 22 円」から「5.6% + 45 円」に変わりました。
無料配布の商品にも 45 円はかかりますか?
かかりません。BOOTH のヘルプでは、無料配布ならサービス利用料はかからないとされています。
BOOTH の振込手数料はいくらですか?
銀行振込は 30,000 円未満が 200 円、30,000 円以上が 300 円(税込)で、PayPal で受け取る場合はかかりません。
売上が 5,000 円に届かない月はどうなりますか?
201 円以上 5,000 円未満なら、毎月 1 日〜19 日に売上管理ページで振込申請が必要で、申請しなくても確定から 6 か月たった売上は自動で振り込まれます。
BOOTH で売っている作品を NEOFANS にも並べられますか?
NEOFANS の側に専属や独占の条件は無く、定価 1,650 円以上で審査を通れば並べられます。BOOTH の側の条件は、自分で規約を読んで確かめてください。
この記事の情報は 2026年11月5日 時点の各社の公式ページの記載をもとにしています。